7月31日、月末を待っていたかのように洋書取次の大手である洋販が自己破産を申請し、同社のグループ企業で、2004年に破綻した青山ブックセンターを運営していた洋販ブックサービスも民事再生を申請した、という記事が新文化に載り、驚いた。
これまで、洋販ブックサービスに出資していたブックオフコーポレーションが、青山ブックセンターという宝物をもっている洋販ブックサービスだけ、民事再生の支援をするとのこと。洋販は自己破産。なんとも残酷な話だ。出版業界では尊敬されない嫌われ者のブックオフという大金持ち会社が、青山ブックセンターを支配する。これは下剋上だ。
そして、同じ7月31日、老舗書店の「丸善」が大日本印刷の完全子会社になるというニュース。図書館向けの本の専門問屋である、図書館流通センターも、大日本印刷は株式を46.5%取得しているとのこと。「丸善」がどこかの会社の完全子会社になるなんて信じられないのだが、そこまで厳しかったのか。出版業界はいよいよ本格的なM&A(合併と買収)の時代に突入したのかもしれない。
ついでに言っておくと、一日前の7月30日には、新文化のサイトに「草思社、新役員決まる」という記事が載った。これは、今年の1月、文芸社の支援をうけて民事再生法により生き残った草思社の新体制の発表である。草思社の破綻の記事のときも、「あの草思社が、まさか文芸社に支援を受けるとは・・・」とびっくりした。これも今をときめく、というか自費出版で大もうけした文芸社がお金の力によって、宝物のようなコンテンツを持っている草思社を支配下に入れた下剋上の世界。
一口に、民事再生法の適用、というけれど、負債はいったい誰がかぶるとおもっているのだろう。草思社の破綻で、紙屋、製本業者、印刷屋などは売掛金の1割しか回収できなかった、と聞いた。ある業者は何千万円もの売掛金があったという。1割では、泣き寝入りにひとしい。
出版業界はいつも世間より遅れて、景気の波をかぶる業界、といわれてきた。2003年からのおだやかな景気の回復の恩恵はまるでうけられないうちに、次の不況がやってきた。その不況の波をもろにかぶっている。
*出版業界事情に詳しい仲
俣 暁 生 さんのサイトも参考にしてください。