* 先日、読んだ、 小田光雄、河野高孝、田村和典「超激震鼎談・出版に未来はあるかV― 古本屋サバイバル」(編書房) (目次)第1章.古本屋の現在/第2章.なぜ古本屋になったのか/第3章.古本屋の七十年代から九十年代/ 第4章.古本屋と新古本産業/第5章.古本屋の行方 お二人が古本屋なので、古本屋の過去、現在、未来の話も面白いのだけど、 こちとら、やはり新古書店たちに廃業に追い込まれたと感じている元貸本屋なものだから、 「敵(かたき)だ」と思っていた新古書店の話題が今でも一番気にかかるし、興味がある。 (貸本屋衰退の、当店の閉店の原因・背景は色々あったにしても、最大の引き金は新古書店だったと現在でも思っている。 しかしながら、その新古書店が、今やネット古本屋としての仕入れ先になっているから、世の中って皮肉です。) 本書での新古書店についての分析が、「やはりそうだったのか」と思わせる内容だった。 鼎談のメンバーの小田光雄氏は以前「ブックオフと出版業界 ブックオフ・ビジネスの実像」(ぱる出版)を書いており、 ブックオフについてはかなり調べているということと、 古本屋のお二人にしても、ブックオフの進出・興隆を目のあたりにして、 脅威を感じているだけに、古本屋としても古書籍組合メンバーとしてもその背景を分析しているようで、 いわゆる「新古書店」について書かれた本(私が多数読んでいる訳じゃないけど)や評論の中では、 一番鋭いと思わせる面白い内容だった。
推理小説ではないのだから、本書の内容(新古書店の商法など)を具体的に書いても問題はないのかも知れないが、 ネタをばらして本の売れ行きに影響があっても困るので、関心のあるひとは是非購入して読んでください。 古本屋の人は、敵を知れば活路も拓けるかもしれません。 また古本屋についての話題が好きな人は、古本屋の新しい動き、試みを感じるでしょう。 「出版に未来はあるか」は「古本屋に未来はあるか」に即通じますけど、 私の大好きな古本屋は今後どう変化していくのでしょうか。 個々の古本屋がそれぞれ、そして私自身はネット古本屋として模索していくしかないでしょう。 そして、その命運の手綱の一つを握っているのは、古本屋を利用している本好きのあなた方なのです。 (古書店・夢の屋HP、□■古本あれこれ■□2003.6/4 より引用)
*「古本屋サバイバル」読了しました。確かに力作です。なのになぜ売れないのか? 出版業界に無知ゆえ、的外れかもしれませんが、これまでの顧客の嗜好から外れて いるのではないかと思います。「出版に未来はあるか」「出版クラッシュ」「消える本、残る本」が売れて、「何 だ >難だ……」や「古本屋サバイバル」が売れないという認識が正しいとすれば、当っ て いる可能性はあると思います。前2冊の読者は、出版社、取次、新刊書店関係者が多いが、後2冊は出版社、取 次、新刊書店の読者にアピールしないのではないか……古本屋や古書店関係者にどんな営業活動をされたのか知りませんが、河野さんや田 村さんの知り合いの同業者の反応を知りたいですね。(有坪民雄さん)
*出版がすこし早かったということでしょうか? 書店の80%は古書店の職業姿勢やノウハウに学ぼうとしません。まあ単に別の業界だ、位にしか考えていないでしょうし、新古書店には過敏なほどの被害者意識丸出しの反応しかしていない現状です。ですが、新古書店を取り込んだ書店も大小にあり、京都組合では古書店組合との交流をもとうという機運も、少数意見ですがあるのも事実です。小生にとって「古本屋サバイバル」は再読書にしていまして、引用文献リスト、人名・店名索引を創りながらもう一度読もうと想っているくらい、様々な示唆にとんだ内容です。もっとも専門化した古本屋に言わすと「内容的には、刺激的なところが同業者でもちょこちょこありましたから、新刊屋 さんからすると、「えぇっーー!!?」てなことがてんこもりではなかったかとは思い ます。」とのたまわりながら、好きなことをほざいておられました。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−「マクロ的な視野に立ったデータをたてた議論をしていないこと。店が何軒で売上 がナンボ、そうじゃなくて、文教予算がどうこうで、先生の給料全体が増えた減った、 可処分時間がどう変わったとか、古紙の値段は?、古本(たとえば岩波の漱石全集と か)の相場の変遷とか、あるいは古書業界を支える人達の層は、どのようなものか、と か、それに現在の古書業界のストックはどれだけあるのかとか、そういうのを抜きにし て、個人的なノスタルジーをベースに、印象を積み重ねただけでは、1冊の本としての完 結した問題提起がない。もし、この鼎談を石神井さんが仕切ってたら、すんごい本ができてたはずなんですが。あ、一点、最後の方にブックオフに供給不足が起こるだろうとい >う指摘がありましたが、それだけは目新しいですね。」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−ですって。 まあ古本屋は古本やなりの知識がありましょうが、ボクは、彼の言う 新刊本屋としては、含蓄にとんだ内容と想いました。(古本屋の彼もそれは認めていますし。)(甲川純一さん・書店店主)
*自分の知識のスキ間を埋めてくれるのは、新刊書店でもましてやブックオフでもなく、時代舎さんのような古書店であるとは常々感じてはいたが、本書を読んでそれが間違いではないことがよ〜くわかった。どんな本が並んでいるか、予測がつかない楽しさが古書店にはある。(川村正文さん 45歳・男性・会社員)
*すごく面白い。粗利は高いのに在庫を多く持つから古本屋はあまり儲からない、というのは意外だった。古本屋は儲かるというイメージがあったから。私の家の近くにもブックオフやそれをまねた古本屋があるけれど、あまり儲かっていないみたいで、本に関しては何度も値下げをしている。明林堂とテイツーとの提携は私が書店勤務していた時に日販の営業マンから話を聞いたが、この本にもあるように上手くいっていないらしい。明林堂も棚が荒れている。今後も小田さんによる出版業界の内情を書いた本が読みたい。(H・Yさん 26歳・男性・会社員)
* うわさの新刊「古本屋サバイバル」すごくいい本ですね。聞き役としての小田さんが、とてもすばらしいです。出版に豊富な知識をお持ちのかたが、いろんな現場、現在の動向をうまく整理しておられて、とてもふくらみのある話になっていると感じました。古書店も「独立自営」ですが、うーん、頼りない世界ではありますね。そんな感じが逆にほのぼの(?)として、さわやかな本に仕上がってるようにも思えました。古本屋さんのはなし、とても実践的に参考になります。もっといろいろ知りたいものです。(奈良敏行さん・52歳・男性・定有堂書店店主)
* 『古本屋サバイバル』、早速読みました。古本屋業界の暗く厳しい現実がこれでもかと強調される展開を予想していたら、むしろ古本屋こそ本の未来を担っていくのでは、という分析が冷静に展開されていて、虚をつかれると同時に、一挙に読み終えました。これを読んで「古本屋になろう」と思う人は、少なからず出てくると思います。ブックオフの存在価値が逆説的に見出されていく過程も、なかなかスリリングですね。先に出た『消える本、残る本』とセットで読むと、本・出版の厳しくも本質的な現実、未来が見えてくるような気もします。それにしても、ここ3年ぐらいは「出版不況」「本の未来」に関する本の当たり年だったように思います。何年か経って振り返れば、こういう状況だったのか…ということになるのでしょうか。図書館に関する仕事をしている身からすれば、あちこちに見え隠れする小田氏の図書館市場分析(ここ20年ぐらいは新館が次々に出来たので、高額なセット本でもある程度売り上げが見込めた。が、今後は難しいだろう)には、身を切られる(これが現実!)ような思いにもなりました。(図書館流通センター 『図書館の学校』編集部 冨田 健さん)